2月末の金曜日のことです。
現地校では、時々ファンド・レイジングとして、ローラースケート場やらプールやらで、入場料の一部を学校の収入にするというイベントが行われます。去年の担任までは、適当で、その当日や終わった後に案内を持って帰っていたのですが、今年の担任はちゃんとしているので、前日に持って帰りました。
で、人生初のスケートに行くことに。
別段、学校を挙げてというイベントではないので、行ってみないと詩子の友人がいるかどうかわからなかったのですが、偶然、日本人の男の子のお友達を発見。でも、彼は相当上手。
詩子は、基本、手すりわき。
私は併設されたカフェスペースで祐莉子と遊んでいると、「補助具があれば、うまく滑れると思うから、借りてくれ」と。
ええー、もう2時間以上いるんですけど。帰ろうようー。
仕方なく、15分だけという期限付きで5ドルで2時間借りられる補助具をレンタル。
やったーという感じで、手すりから離れて、数分後。
「おかーさーん・・・」
ふと見ると、転んでいる。どーしたん、アンタ。
お友達が見ていたらしく、どうやら補助具を巻き込んで転んだらしい。
立てない、座れない、というのを、お友達のお母さんやスケート場のスタッフに手伝ってもらって、何とかスケート靴を脱がす。
うーん、まさか折れているとは思わないが、やばそうだ・・・。
すでに6時半を回っていて、普通の病院は終わっているし。どーする。
Consentraという、予約の要らない、救急料金のかからない病院があるのを思い出して、そこに連れて行くことに。ここは夜9時までやっている。
友人も病院までついてきてくれて、ダンニャが駆けつけてるまで一緒にいてくれて、助かりました。
で、レントゲンを撮ると、きれいにヒビが入っている・・・。ありゃぁぁぁぁぁぁ。
あの時、「いいから、帰るよっ!」と連れて帰っておけば、と後悔しても後の祭り。
Dr.「骨折の経験は?」
私「初めてです」
Dr.「そうかぁ。じゃぁ、スタートだね-。」
私「冗談じゃない、ラストだ!」
そういうアメリカンジョークはホント要らない。
とりあえずの応急ギプスをつけてもらって、260ドル払って松葉杖で帰宅。
熱が出るかもしれないと心配して、一緒に寝ることにしたのだけど、夜中の1時頃、痛い痛いと言い出す。
骨折って、後から痛みが出るって、ホントだったんだ!
で、買っておいた痛み止めを飲ませるけど、全く効く様子がない。詩子には珍しく、ぼろぼろ涙を流すので、慌ててこんどは救急病院へ。救急って、いくらかかるんだよ-、と怖いけれども、夜中に高速道路で連れて行くことに。祐莉子はパパとお留守番。起きるなよ。
救急病院は、さほど混んでいる様子もないのに、待たされる待たされる。2時間近く待ったところで、やっと詩子の番。すでに3時で、眠くてしかたないけれど、痛くてうとうともできないらしい。ずーっと、ぐちぐち文句を言っている。
Consentraでもらってきた骨折の写真を見せると、「痛み止め持ってないの?」と。
ファーマシーで買ったのを飲ませたけど、効かないというと、骨折の痛みは普通の薬だと痛みの種類が違うから効かないよ、と。
「Consentraでもらってないのか」と、ドクターにもナースにも何度も確認される。どうやら、あのドクターが出し忘れたらしい・・・(怒)。そりゃね、気づかなかったこっちも悪いかもしれないけれど、骨折なんてしたことないし、あの時は痛がってなかったから、気づかなかったのよ。医者なら気づくべきでしょう、っていうか、それが仕事だろう-!
とりあえず、急いで痛み止めをください、と言うと、飲み薬と注射を持ってくる。
薬の説明をしてくれるんだけど、「注射の中身はモルフィンよ」と。
・・・は?もう一回言って?
「だから、モルフィン」
・・・え、ちょっと待って、モルフィンって、モルヒネっ!?
いやいやいやいや、そんな簡単に出しちゃうものなの?
「心配なら、打たなくてもいいわよ。飲み薬もあるし」
すると、詩子は注射は大の苦手なので、それなら痛い方を選ぶという。
結局、飲み薬と、朝になってからファーマシーで出してもらう痛み止めの処方箋をもらって、4時に帰宅の途へ。
このとき払ったのが300ドル。覚悟していたほどではなかったことにほっとする。←これは大いなる勘違いであったことが後から知らされる。
祐莉子はお利口さんに寝ていたらしい。
土曜日の補習校にどうしても行かなければならない用事があったので、2時間だけ寝て、今度は補習校へ。
土・日を家でおとなしく過ごし、翌週。
間の悪いことにダンニャの日本出張とかもあって、詩子の風呂の介助もいるし、祐莉子もその間泣き叫ぶし、初めの1週間は、ほんとくたくたでした。
足を下に下ろすのも痛がるので、学校は数日休ませることに。
月曜日に病院に連れて行きました。
そこで、ちゃんとしたギプスをしてもらいました。最近のギプスってのは、3分でできちゃいます。キャストと呼ばれる、編み目ロール状のもの、堅いガーゼみたいなのを水に浸して、患部に巻きつけて3分待てば、あら不思議。色もこの病院には9色あって、詩子はグリーンをチョイス。
ここでも、痛み止めをもらったんだけど、またもやモルヒネを持ってくる。子供用だから心配ないわよ、と言うのですが、アメリカって、ホントに簡単に出してくるなぁ・・・。でも、今回も注射だったので、使いませんでした。
先生は、松葉杖は初めは怖いかもしれないけれど、使った方がバランスも失わないし、治りも早くていいよ、というのですが、ダンニャも出張でいないし、祐莉子もいるし、どうしても車椅子がいる。先生にそう言うと、じゃぁ1週間だけね、と。車椅子って、病院で貸してくれるのかと思ったら、さにあらず。自分で、電話帳を見てさがすんだよ、とのこと。え、マジですか。そうしたら、デリバリーしてくれるから、って。えええー、超面倒。
家に帰ってネットで調べると、意外と近くで借りられることが判明。先生には1週間と言われたが、一応2週間借りることに。2週間で150ドル(デポジット200ドルが別に必要)。
毎日、ダンニャが詩子をクラスルームまで荷物を持って送り、毎日、私が学校まで迎えに行き、という日々が先週金曜までで7週間続きました。
4週間でギプスもとれ、リハビリのブーツを穿いて3週間。やっと完治です。とはいえ、まだ筋肉が衰えたままなので、先生からブーツは要らないと言われても、本人は外すのが怖いらしい。リハビリのブーツは、グラデュエーターみたいで、友達にはクールだ!と評判らしい。どっちでもええー。
で、その間、請求書が2通届く。
あれ?払ったよな?
いいえ、違ったのです、払っていなかったのです、ごく一部しか。
深夜に行った救急病院、300ドルというのは仮のお値段。後から、追加の365ドルと704ドル。初めの300ドルプラス365ドルは、病院に払うお金(うち薬代4.6ドル)、700ドルはドクターに払うお金っ!!!
2時間も待たされた上に、4.6ドルの痛み止めをもらっただけで、1369ドル!!アホかっ!呆れてしまうが、これは払うしかなく。だいたい、一番初めに行ったConsentraがちゃんと痛み止めを出してくれていさえすれば、払わなくてすんだお金のはず。
・・・全く。
で、やっと一昨日の土曜日、初めてブーツも外して補習校へ。
7週間、大変だったけど、無事に治って良かった。前日金曜日には、今年初のプールにも行きました。
来週からは、朝も駐車場でドロップできるし、スクールバスで帰ってきてくれるから、負担もなくなる。長かったぁ・・・。
補習校の後、ダンニャと詩子は公園へサイクリング。
祐莉子もお昼寝を初めて、やれやれ、と一息つく私へ電話が。
「詩子が自転車で転んでもう帰りたいっていうから車で迎えに来て」と。
慌てて迎えに行くと、足の甲と腕が痛いと。
え゛え゛え゛ー。
とりあえず連れて帰って、晩ご飯を食べていると、また痛い、病院に行きたいと言い出す。
またか、まじですか。
Consentraは、前回えらい目に遭ったので、最近見つけた、整形外科が併設してる24時間/7日間のエマージェンシールームに連れて行くことに。また夜ですよ。夜8時。
腕も痛いような気がするというので、それも言う(ホントは、「気がする」程度なら、レントゲン代もバカにならないから撮って欲しくない)と、なぜか完治したスネも撮るし、ホントに必要なの?というくらいパシャパシャ撮る。ええええー。
幸い折れてはいないらしいけれど、先生も専門ではないので、また月曜日に専門医に行けと。で、また痛み止めをもらって1000ドル。
2月末から、私の歯医者や持病(つったって、たいしたことはない)の病院も含めて、すでに医療費が6000ドルを超えてしまいました(先週だけで2000ドル)。
ほんと、いい加減にして欲しい。
この分では、来月に控えるヒップホップのパフォーマンスは出られそうにありません。衣装代も出演料もとっくに払い済みなのになぁ。